大腸カメラとは
大腸カメラとは、先端に小型の高能カメラが搭載された内視鏡を肛門から挿入し、大腸を観察する検査です。
大腸の粘膜を直接観察することが可能であり、便秘や下痢、出血などの原因になり得るポリープや腫瘍、がんなどを診断できます。
また、大腸カメラは観察だけではなく、必要に応じて組織の採取やポリープの切除を行うことも可能です。
特に大腸がんは早期発見・早期治療が何よりも重要になるため、定期的に大腸カメラ検査を受けることが望ましいです。
当院の大腸カメラの特徴
当院では、日本消化器内視鏡学会専門医による苦痛の少ない大腸カメラ検査を実施しています。
当院が実施する検査の特徴は以下の通りです。
- 安全かつ安心で楽な検査
- 大腸ポリープ日帰り手術が可能
- 最新機器による質の高い検査
- 内視鏡経験豊富な専門医による検査
- 受診日当日や土曜日でも対応し、患者様の時間的ご都合に配慮した検査
当院では富士フィルム社の内視鏡機器 ELUXEO7000 SYSTEMを導入しており、光源も最新のLEDを使用しています。
さらに、最大145倍まで可能な拡大カメラを内蔵しており、病変の細かな観察も可能で、より小さな病変の見落としも防ぐことができ、より質の高い検査を提供できます。
大腸カメラ検査は痛いのか?
大腸カメラは「痛い」「つらい」「苦しい」というイメージを持たれる方は多いです。
実際に以前に他院で検査を受けられた方でとても痛かったというお声をお聞きすることもあります。
なぜ大腸カメラで痛みが生じるかというと、多くは腸の中のS状結腸や横行結腸という部分がカメラによって強く押されるためです。
まっすぐ腸の中をカメラが通っている時はほぼ痛みは感じませんが、カメラによって腸が引き伸ばされると痛みが生じます。
当院では浸水法を用いて内視鏡を挿入することで、極力腸を伸ばすことなく検査を実施できるように工夫しています。
どのような検査にも言えることですが、初めて検査を受けた時にとてもつらい思いをしてしまうと、患者様はその後同じ検査を受けたいとは思わなくなります。
当院ではそんな患者様を1人でも減らすことで、大腸がんの予防に寄与できればと考えております。
また以前とてもつらくて大変だったという方も、是非一度当院での検査をご検討ください。
日帰り大腸ポリープ切除術
大腸カメラ検査では、ポリープが見つかるケースがありますが、当院では入院することなく、日帰りで大腸ポリープ切除術を受けていただけます。
大腸ポリープ切除後にトラブルとして最も多いのが出血です。
これはポリープの大きさにもよりますが、ポリープを切除する際に高周波を用いて熱で焼き切ることで生じることが多いと言われています。
当院では、コールドポリペクトミーと呼ばれる熱を使わない切除方法でポリープを切除するため、出血も最小限です。
大腸カメラが必要なケース
大腸カメラは、以下に該当する方におすすめする検査です。
- 血便、粘液便、黒色便が出る
- 便が細くなった
- 便秘、下痢
- 残便感がある
- 腹痛や腹部膨満感が続いている
- 便潜血検査で陽性になった
- 40歳以上の方
- 肥満、高身長の方
- 赤肉(牛、豚、羊など)や加工肉(ソーセージ、ベーコン、ハムなど)をよく食べる
- アルコールをよく摂取している
- 2親等以内の親族に大腸がんになった方がいる
上記の症状がない方でも、大腸がんなどの重大な疾患の早期発見および早期治療に繋がることもあるため、大腸カメラ検査の受診をぜひご検討ください。
大腸カメラでわかる病気
大腸がん
大腸がんとは大腸に発生するがんであり、良性のポリープががん化して発生する場合と正常な粘膜から直接発生する場合もあります。
早期の段階では自覚症状がほとんどなく、進行することで下痢や血便、腹痛などの症状が現れはじめます。
大腸ポリープ
大腸ポリープとは、大腸にできる隆起性の病変のことをいい、いぼのような形をしていることが特徴です。
形もさまざまであり、1mm程度の小さなものから数cmに達するものなど多岐にわたります。
ポリープのなかにはがんに発展するものもあるため、必要に応じて早期に切除することが望ましいです。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる病気です。
30歳以下の成人に見られる場合が多く、一部小児や50歳以上の方が発症することもあります。
発症原因はいまだに不明であり、免疫病理学的機序や心理学的要因の関与が考えられています。
クローン病
クローン病とは、大腸および小腸の粘膜に慢性的な炎症・潰瘍を引き起こす病気です。
若年者に多く見られ、口腔からはじまり肛門に至るまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こり得ます。
発症原因はいまだ不明であり、遺伝的な要因が関与するという説、結核菌類似の細菌や麻疹ウイルスによる感染症説などであると考えられています。
感染性腸炎
感染症腸炎とは、細菌やウィルス、寄生虫などの病原体や毒素が腸管に感染することで発症する病気です。
原因となる病原体のなかにはノロウイルスやロタウイルスなどがあり、季節によって異なります。
発症すると多くの場合腹痛や下痢、発熱や嘔吐などの症状が現れますが、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状で治まる場合もあります。
虚血性腸炎
虚血性腸炎とは、何らかの原因で血流障害が起こり、大腸に炎症が生じることで血便や腹痛を引き起こす病気です。
一般的には60歳以上の高齢者に見られる病気ですが、若年層にも見られることがあります。
動脈硬化による血流の低下や便秘による腸管内圧の上昇などが主な発症原因です。場合によってはストレスや食生活の乱れによって発症するケースもあります。
大腸憩室症
大腸憩室症とは、大腸壁に5〜10mmほどの袋状のへこみができた状態のことをいいます。
ほとんどの場合無症状ですが、憩室部の血管が破裂して出血した場合や、細菌に感染した場合は血便や腹痛などの症状が現れる場合があります。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、ストレスや自律神経の乱れにより、大腸が刺激に敏感な状態になり、便通異常を起こす病気です。
腸に炎症や潰瘍などの異常がない場合でも腹痛や下痢などの症状が現れることが特徴であり、腸の内臓神経が過敏になることから引き起こされると考えられます。
大腸脂肪種
大腸脂肪腫とは、大腸内部に脂肪のかたまりが出現する病気です。
発生頻度は多くはありませんが、脂肪が成長し大腸を塞いでしまうと重大な疾患につながる恐れがあるため、定期的な大腸カメラ検査が必要です。
大腸メラノーシス
大腸メラノーシスとは、大腸刺激性下剤を長期にわたって服用した結果、大腸の粘膜に色素が沈着した状態のことをいいます。
単に色素が沈着するだけではなく、大腸の筋層の神経細胞が減少することから腸の動きが鈍くなり、便秘の症状が悪化します。
また、症状が悪化した場合は下剤が効きにくくなるため、注意が必要です。
大腸カメラの流れ
大腸カメラによる検査の基本的な流れは以下の通りです。
大腸カメラの費用
大腸カメラの費用は、麻酔や前投薬の有無、生検による組織を調べる病理検査の有無、大腸ポリープ切除の有無などで異なります。
当院で行われる大腸カメラ検査の費用目安は以下の通りです。
保険:2割負担 | 保険:3割負担 | |
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大腸内視鏡検査(観察のみ) | 4,000円ほど | 6,000円ほど |
大腸内視鏡+生検+病理組織検査 | 6,000円~10,000円ほど | 9,000円~15,000円ほど |
大腸内視鏡+ポリープ切除+病理組織検査 | 13,000円~22,000円ほど | 20,000円~34,000円ほど |
便潜血検査(血便)と大腸内視鏡検査
便潜血検査は、スクリーニングとして広く普及している検査方法であり、便を提出するだけの簡単な検査です。
通常便に血が混じることはありませんが、万が一便潜血検査で陽性と診断された場合は大腸がんの可能性があるため、大腸カメラ検査が必要になります。
大腸カメラはポリープやがんの発見に有用であるため、医師から検査を進められた場合は、受けることをおすすめします。
検査に対するお悩みや疑問がございましたら、お気軽に何でもご相談ください。
事前のヒアリングから検査後のアフターフォローに至るまで、患者様に寄り添った丁寧なサービスを提供します。
大腸カメラについてよくある質問
検査時間はどれくらいかかりますか?
大腸カメラ検査はおよそ10分程度で完了します。
生検やポリープ切除を行った場合は、15分程度が目安になります。
検査前の食事について教えてください。
検査当日は事前にお渡しした腸管洗浄剤を使用し、検査時までに腸管の中を洗浄し、きれいにしていただきます。
検査前日の夕食は20時頃までに済ませていただき、検査当日は食事を控えていただきます。
検査時の服装について教えてください。
検査時はお洋服が汚れないように、検査着に着替えていただきます。
上着はそのままで結構ですが、ワンピースや金属類の装飾品は控えてください。
生理中でも検査はできますか。
生理痛が強い方は日にちをずらす場合がありますが、検査自体は問題なく受けることが可能です。
検査予約について教えてください。
大腸検査は予約制となっております。
事前に腸管洗浄剤を使用して腸管をきれいにする必要があります。診察時に検査日を決めて検査の説明を行い、後日来院していただきます。