内視鏡検査は、消化器系の健康状態を詳しく調べる大事な医療検査です。問題なく検査を終えるには、事前の食事や日頃のライフスタイルが重要となります。
食事の内容やタイミング、タバコやアルコールの摂取、服薬に至るまで、検査の前後で何をすべきか、何を避けるべきかはしっかりと理解しておかなければいけません。
この記事では、内視鏡検査前後の食事にどういったポイントがあるのか詳しく紹介します。
Contents
内視鏡検査前後の食事で気をつけること
内視鏡検査前後の食事は注意しなければいけません。なぜなら、食事の内容やタイミングが、検査の精度や結果に直接影響を与える可能性があるからです。
胃や大腸の状態を詳しく調べる内視鏡検査前には、消化に時間がかかる食べ物や脂肪分が多い食べ物は避ける必要があります。
あわせて食事のタイミングも重要で、検査の何時間前には食事を済ませるべきか、水分は摂ってもいいのかなど、疑問は多いのではないでしょうか。
ここでは、胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査それぞれの食事の注意点を紹介します。
胃内視鏡検査の場合
胃内視鏡検査は、胃や食道、十二指腸の健康状態をチェックする重要な検査です。検査されるのは食べ物や飲み物が直接通る場所なので、食事が検査結果に大きく影響を与えます。
油分の多い食事や消化に時間がかかる食べ物は、胃内に残りやすいため、検査の精度を下げる可能性があります。
食事のタイミングも非常に重要で、検査前には一定時間、食事を控える必要があります。
検査の3日前の食事
検査を控えた3日間前から食事に配慮が必要です。3日間は検査結果の正確さを保つために、いくつか食事に関する注意点があります。
まず、過度な飲酒や高脂質な食事は制限しましょう。
フライドポテト、ピザ、ラーメン、焼肉などの高脂質食品は、血液や消化に影響を及ぼす可能性があるため、避けることが望ましいです。
また、繊維質の多い食品も制限が必要です。玄米やキノコ、こんにゃくなどは、胃の中で膨れ上がることがあり、一部の検査結果に影響を及ぼす可能性があります。
その代わり、白身魚や鶏むね肉、白米を中心とした食事を摂ることで、検査への影響を最小限に抑えることができます。
検査前日の食事
検査前日の夕食は20時までに済ませ、消化の良い食事を心掛けてください。おにぎり、おかゆ、うどん、豆腐、野菜スープなどがおすすめです。
胃に負担をかけずに消化されるため、翌日の検査に影響を与えません。
ただし、肉類やキノコ類、生野菜、乳製品などの食品は消化に時間がかかるため、検査前日には摂取を避けるように心がけましょう。
検査当日の食事
検査当日は、何も食べずに検査を受ける必要があります。
水分は問題ありませんが、コーヒーや紅茶のようにカフェインを含むものや、スムージーやジュースなど糖分や繊維質が含まれるものは飲んではいけません。
検査後の食事
検査後は、身体への負担を考慮して食事内容に気を付けることが大切です。消化がしやすい食品を選び、胃に優しく栄養を摂取しましょう。
白身魚や豆腐、野菜スープ、おかゆなどは、胃への負担を軽減しつつ、必要な栄養を補うのに適しています。
また、過度の油分や飲酒は胃の回復を妨げる可能性があるため、避けることが望ましいです。
大腸内視鏡検査の場合
大腸内視鏡検査は、大腸の健康状態を詳しく調べるための重要な検査です。検査精度を高くするためには事前の食事がとても重要といえます。
大腸の中をきれいにするためには、食事の内容が取り分け重要です。ここでは、大腸内視鏡検査における食事の注意点を詳しく解説します。
検査の3日前の食事
大腸の中をきれいにするため、少なくとも3日前からは食物繊維の多い食事や油分の多い食事を控える必要があります。
こんにゃく、海藻、きのこ、ラーメン、焼肉などは避けましょう。白米、鶏むね肉、スープなどの消化の良い食べ物がおすすめです。
検査前日の食事
検査前日は、夕食を20時までに済ませる必要があります。おかゆ、うどん、豆腐など消化に良いものを選ぶことが重要です。
検査前日は、食物繊維の多い野菜や、ゴマやイチゴなど種子が残ってしまう食べ物、揚げ物など油分の多いものは避けたほうがよいでしょう。
また、最近では多くの医療施設で検査前日に摂取する検査食をお渡ししてそれを食べて頂くことで、当日の検査をよりスムーズにすることも多いです。
検査当日の食事
検査当日は、何も食べずに検査を受ける必要があります。
水分は問題ありませんが、コーヒーや紅茶のようにカフェインを含むものや、スムージーやジュースなど糖分や繊維質が含まれるものは飲んではいけません。
検査後の食事
検査後は特に食事制限はありませんが、水分を多く摂ることが推奨されています。水やカフェインを含まないお茶が特におすすめです。
食事は香辛料を多く含む食事や、油分の多い食事は避けるほうが大腸への負担を与えないといえるでしょう。
内視鏡検査前後はタバコ・アルコール・ 服薬は避けるべき?
内視鏡検査では食事だけでなく、タバコやアルコール、服薬も重要な要素です。ここでは、これらが検査結果にどのような影響を与えるのかを詳しく紹介します。
タバコとアルコールは検査前は控えるべき
タバコとアルコールは、検査の精度に影響を与える可能性があります。特に検査前は控えるようにしましょう。
タバコは血管を収縮させる作用があり、胃、腸の血流が悪くなったり、胃粘液分泌が増えて検査が行なわれにくくなったりします。検査の1週間前からは控えることをおすすめします。
また、アルコールは胃や大腸の粘膜に刺激を与えるため、検査前は避けた方が良いです。検査の3日前からはアルコールを控えましょう。
服薬は医師の指示に従う
服薬は医師の指示に従ってください。一般的には、検査当日の服用は控えるようにお願いされるケースが多いです。
服用が必要な薬であっても、検査前にはいくつかの注意事項があります。
特に血液を固まりにくくする薬(ウォーファリン)や、糖尿病の薬(インスリン)を服用している場合は、医師と相談する必要があります。
また、高血圧の薬も同様に検査に影響を与える可能性があるため、検査前に医師に相談して適切な指示を受けることが大切です。
内視鏡検査前に食べていいものと控えた方がいいもの
内視鏡検査において、食事は消化器系に直接影響を与えるため、検査の精度にも影響があるものといえます。
適切な食事を摂ることでより正確な検査結果が得られるため、内視鏡検査前に食べても良いものと控えた方がよいものは把握しておきましょう。
脂肪分や食物繊維が多いものは避けて消化に良い食べ物を選ぶ
内視鏡検査前には、消化が良く、脂肪分や食物繊維が少ない食べ物を選ぶことが大切です。
例えば、おかゆやうどんは消化が良く、脂肪分も少ないのでおすすめです。一方で、フライドポテトやバター、チーズなどの脂肪分が多い食べ物は控えましょう。
食べていいもの | 食べてはいけないもの | 備考 |
---|---|---|
おかゆ | フライドポテト | おかゆは消化が良く、脂肪分も少ない。 |
うどん | バター | うどんも消化が良く、脂肪分が少ない。 |
白米 | チーズ | 白米は消化が比較的良いが、量に注意。 |
鶏むね肉 | ソーセージ | 脂肪分が少なく、タンパク質が豊富。 |
豆腐 | ベーコン | 脂肪分が少なく、消化に優れている。 |
ヨーグルト | ファーストフード | 脂肪分が少ないものを選ぶこと。 |
果物 | 揚げ物全般 | 繊維が少ないものを選ぶ。 |
水、お茶 | アルコール | 水分は重要だが、炭酸飲料は避ける。 |
食べ過ぎには注意!
検査前に食べ過ぎると消化が遅れてしまい、検査の精度が下がる可能性があります。適量を心がけ、食事の時間も検査のスケジュールに合わせて調整することが重要です。
特に、検査前日の夕食は20時までに済ませるようにしましょう。消化に時間がかかる食べ物は避け、消化が早い食べ物を選ぶことで、検査当日に最良の状態で臨むことができます。
まとめ
内視鏡検査前の食事は非常に重要です。消化が良く、脂肪分や食物繊維が少ない食べ物を選ぶことが大切であり、また食べ過ぎにも注意する必要があります。
体質や体調、生活習慣においても違いが生じるため、実際に検査を受ける際には検査機関とよく相談し、適切な準備をすることが求められます。
横浜市にある『菊名キュアーズクリニック』では、内視鏡検査の専門医が在籍しており、特に早期がんの発見や予防に注力しています。
患者様が安心して検査を受けられるよう、最新の内視鏡機器を使用しています。
さらに、患者様の不安や疑問をしっかりと解消するために、事前の説明を丁寧に行っています。患者様の状態や症状に応じて、当日の内視鏡検査も柔軟に対応いたします。
内視鏡検査を検討している方は、ぜひ『菊名キュアーズクリニック』へご相談ください。