内視鏡検査は、胃や大腸などの内部を詳しく調べるために必要な医療検査です。
しかし、「内視鏡検査は痛いのでは?」という不安で検査を受けるべきか多くの患者様が悩んでいます。実際に検査を受けるときは、痛みを我慢するしかないのでしょうか。
この記事では、内視鏡検査が痛い原因と、痛みを緩和する方法について詳しく紹介します。
内視鏡検査の痛みが出る原因
内視鏡検査は、消化器系の疾患を診断するための手法です。しかし、患者様によっては痛みを感じることがあります。
痛みは、検査の種類や患者の体質、検査方法によって異なる場合があります。
胃内視鏡検査で痛みが出る原因
胃内視鏡検査で痛みが出る主な原因は、内視鏡の挿入による喉の刺激や胃壁への圧迫です。
喉に麻酔が十分に効いていない場合や、胃壁に炎症がある場合は痛みが強くなる可能性があります。
喉の刺激と胃壁への圧迫は、胃内視鏡検査で痛みを感じる主な原因で、内視鏡が喉を通過する過程で喉の粘膜が刺激されることがあります。
また、内視鏡が胃内に進入すると胃壁に圧力がかかり痛みが発生することがありますが、炎症がなければ痛いと感じることは少ないです。
大腸内視鏡検査で痛みが出る原因
大腸内視鏡検査では、大腸の曲がり角を通過する際に痛いと感じることが多いです。大腸の内壁が伸びることで、神経が刺激されるために起こります。
大腸にはいくつかの曲がり角が存在し、内視鏡が通過する際に大腸の内壁が伸びることがあります。内壁が伸びることで大腸の神経が刺激され、痛みが発生する可能性が高まります。
痛みは、検査の技術や患者の体質によっても異なる場合があります
胃内視鏡検査の痛みを緩和する方法と注意点
胃内視鏡検査には、多くの人が抱く痛みや不快感を和らげる方法がいくつかあります。ここでは、それぞれの方法と注意点について詳しく解説します。
局所麻酔や鎮静剤を使用して検査を受ける
局所麻酔や鎮静剤を使用することで、検査中の痛みや不快感をほぼ完全に取り除くことが可能です。鎮静剤は、痛みだけでなく緊張や不安も和らげる効果があります。
ただし、薬剤はアレルギーや特定の体質によっては使用できない場合もあるため、事前に医師としっかりと相談することが重要です。
また、鎮静剤の使用には専門の医療機器と高度な技術が必要な場合があるため、信頼できる病院での検査が推奨されます。
嘔吐反射がきついなら経鼻内視鏡がおすすめ
嘔吐反射が強いと感じる人には、経鼻内視鏡がおすすめです。嘔吐反射は、喉や胃に異物や刺激が入ることで自然に引き起こされる防御反応です。
嘔吐反射が強いと、口から内視鏡を挿入する際に不快な状態になる可能性があります。経鼻内視鏡は、鼻から挿入するため嘔吐反射が少ないため、スムーズに検査できます。
内視鏡検査には多くの方法や選択肢があります。体質や症状に合わせて最適な方法を選び、医師としっかりと相談することで、安心して検査を受けることができるでしょう。
大腸内視鏡検査で痛みを緩和する方法と注意点
大腸内視鏡検査は、大腸の健康状態を診断する非常に重要な手段です。しかし、痛みや不快感が伴うことが多いとされています。
ここでは、大腸内視鏡検査で痛みを緩和する方法と注意点について詳しく説明します。
静脈麻酔を使った検査を受ける
静脈麻酔は、ミダゾラムなどの薬剤を用いて行われ、中枢神経系に作用して痛みや不快感を抑制します。
静脈麻酔を受ける場合は、事前にアレルギー歴や他の健康状態を医師に伝える必要があります。
静脈麻酔を使用した場合は検査時間が通常よりも短縮されることが多く、患者さんは検査中に眠ってしまうこともあります。
炭酸ガス(二酸化炭素)送気装置を使用して検査を受ける
炭酸ガス(二酸化炭素)送気装置を使用した検査も、一般的に行われています。腹部に送り込むガスとして炭酸ガスを使用することで、腹部の膨満感や不快感を大幅に軽減します。
腹部に不快感を感じやすい人や過去に腹部手術を受けたことがある人には、炭酸ガス送気装置を用いる方法が有用です。
炭酸ガス送気装置の有無については、事前に病院に問い合わせるとよいでしょう。
軸保持短縮法
軸保持短縮法は内視鏡の操作技術の一つで、大腸の曲がり角をスムーズに通過するために用いられます。大腸が長いまたは多くの曲がり角がある人に有用です。
内視鏡を挿入する際に、大腸の内壁に対して特定の角度や方向で圧力をかけることで、大腸を短くできます。
軸保持短縮法を用いると内視鏡がスムーズに進行し、曲がり角や狭い部分での抵抗を減らすことができます。
検査時間が短縮され、痛みや不快感も大幅に減少することが報告されています。
水浸法(WIC)
水浸法では、大腸内に水を注入することで大腸壁を柔らかくし、内視鏡の挿入を容易にします。特に便秘がちな人や高齢者に推奨されています。
水浸法を使用すると、大腸内の圧力が低下し、痛みや不快感が軽減されます。
ウォーター・イクスチェンジ・コロノスコピー(WEC)
ウォーター・イクスチェンジ・コロノスコピー(WEC)は、水浸法と同様に大腸内に水を注入する手法ですが、さらに水の交換も行います。
大腸内にガスが多い場合や、過去に手術歴がある人に有用です。
WECを使用すると、大腸内のガスが排出され、痛みや不快感がさらに軽減されるといわれています。
内視鏡検査を不安なく受けるためにすべきこと
内視鏡検査は、多くの人にとって不安な経験であることは間違いありません。痛いと感じる不安を和らげ、より安全な検査を受けるためにはいくつかのステップがあります。
事前に既往歴や服薬状況を伝えておく
検査前は、医師に既往歴や現在の服薬状況をしっかりと伝えることが重要です。
これは、検査中に突然のアレルギー反応や薬物相互作用を防ぐためであり、最も適切な検査方法を選定するためにも不可欠です。
- アレルギー情報(例:ヨード、ラテックス)
- 現在服用中の薬(例:抗凝固剤、インスリン)
- 過去の手術歴や疾患(例:心臓病、糖尿病)
例えば、ある種のアレルギーがある場合、情報が医師に伝わっていれば、アレルギーを引き起こす可能性のある物質や薬剤の使用を避けることができます。
検査中は力まずリラックスした状態を心がける
検査中は力まずにリラックスすることが推奨されます。
緊張や力みで筋肉を硬くすると、内視鏡が体内を通過する際に痛みを感じやすくなってしまいます。体の力を抜いて、ラクな姿勢になれる工夫が必要です。
- 深呼吸をする
- 検査前に軽いストレッチを行う
- 音楽を聴くなどして心地よい環境を作る
痛みを避けるためには、深呼吸をしたり、心地よい音楽を聴いたりすることで、リラックス状態を作り出すことができます。
内視鏡専門医のいる病院やクリニックを選ぶ
内視鏡検査を受ける場所として、内視鏡専門医が在籍している病院やクリニックを選ぶことも大切です。専門医は高度な技術と豊富な経験を有しているため、検査中のトラブルにも迅速かつ適切に対応できます。
- 専門医資格を持つ医師がいるか確認する
- 事前にカウンセリングを受け、疑問や不安を解消する
専門医がいる病院であれば、安全性の高い内視鏡検査を受けることができます。
まとめ
内視鏡検査に対する不安や疑問を解消するための、具体的な方法と注意点を紹介しました。
検査前の事前準備から、選ぶべき病院やクリニックの選定、検査中の心構えまで、内視鏡検査を安全かつ安心して受けるためには多くのポイントがあります。
痛みを軽減するための麻酔や鎮静剤の使用、腹部の膨満感を和らげる炭酸ガス装置の利用、さらには嘔吐反射が強い場合の対処法など、多角的に考えることが重要です。
横浜市にある『菊名キュアーズクリニック』では、多くの診療経験を持つ専門医が、早期がんの発見から治療まで幅広く対応しています。
大腸がんの早期発見と予防に力を入れており、女性にも安心して検査を受けられるような環境が整っています。
患者様が何でも言いやすい雰囲気づくりを心掛け、事前説明から検査後のフォローまで、一人ひとりに対して丁寧な対応をしています。
不安や疑問があれば、どうぞお気軽に『菊名キュアーズクリニック』までお問い合わせください。