胃カメラで分かることは?発見可能な疾患や検査を受けるべきタイミングを解説

胃カメラで分かること
胃カメラで分かること

胃カメラは、消化器官のさまざまな病変や、疾患の危険因子を発見できる検査です。

消化器官に関する部位に何かしらの症状が現れた際には、手遅れにならないためにも早めの段階での発見と検査が重要です。

この記事では、胃カメラで分かる疾患や検査を受けるべきタイミングについて解説します。

胃カメラ検査を受けることを検討中の方や、発見できる疾患を詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

胃カメラで分かる疾患や症状とは

胃カメラで分かること

胃カメラは、内視鏡を胃に挿入して胃の内部を観察し、さまざまな疾患を発見できる検査です。

胃カメラと呼ばれていますが、正式には「上部消化管内視鏡検査」と言い、食道・胃・十二指腸まで隅々観察します。

また、観察だけでなく疑わしい病変を発見した際は、組織を採取して生検を行うため、重大な疾患の早期発見や診断も可能です。

ここでは、胃カメラの検査で分かる疾患を解説します。

胃炎

胃炎は、胃の粘膜に炎症が発生する疾患です。

主に急性胃炎と慢性胃炎の2種類があり、それぞれ症状や原因が異なります。

急性胃炎の場合は、突然の痛みや吐き気、胸焼けなどの症状が現れます。食生活の乱れ、アルコールの摂取、内服薬の影響、ストレスなど、原因はさまざまです。急性胃炎の症状の多くは、胃腸薬を服用することで緩和につながります。

慢性胃炎については、急性胃炎と同様の症状が現れる場合と、無症状の場合があります。加齢や食生活の乱れ、飲酒や喫煙、ピロリ菌感染などが慢性胃炎の主な原因です。特にピロリ菌によって慢性胃炎の症状が現れている場合、胃がんを引き起こしてしまうこともあるため、早急な検査と治療が必要になります。

胃潰瘍

胃潰瘍は、食後に起こるみぞおちの痛みが代表的な症状です。その他、吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状を起こすことがあります。症状が悪化して胃に出血が発生すると、吐血や黒いタール便、貧血が起きたりします。

喫煙や非ステロイド系抗炎症薬の鎮痛薬「NSAIDs」が原因になることがありますが、多くの場合はピロリ菌が原因です。

胃カメラの検査によって胃潰瘍の病変が発見できた場合は、ピロリ菌の除菌治療が有効な場合があります。

十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍は、痛みや嘔吐、胃もたれ、胸焼け、腹痛などが症状として挙げられます。特に空腹時に腹痛が起こりやすく、症状が悪化すると粘膜からの出血、さらに十二指腸に穴が開く穿孔を伴うおそれもあるため、とても危険な疾患です。

多くの場合がピロリ菌の感染によるものとされており、胃カメラで発見が可能です。ピロリ菌が原因だった場合は、胃潰瘍と同様に除菌治療を検討します。

胃アニサキス

胃カメラでは、胃アニサキスによる感染も診断可能です。

アニサキスは、サバ・サケ・アジ・イカなどのさまざま魚に寄生しており、寄生された魚を生で食べてしまうと感染するリスクがあります。

冷凍や加熱によって感染予防を徹底するのが大切ですが、万が一生魚を食べた数時間後に嘔吐や腹痛などの症状が現れた場合、胃カメラおよび内視鏡によるアニサキスの虫体除去が必要です。

痛みは徐々に改善に向かいますが、1週間~2週間経過するとアニサキスが胃腸の壁に埋没し、胃潰瘍や好酸球性肉芽腫となってしまうことがあります。また、アニサキスの状態によっては胃腸の壁を突き破り、穴を空けてしまう穿孔となるケースもあります。

生魚を食べた後に症状が発生した場合は、胃カメラを使って胃の粘膜にとどまるアニサキスの検査を行いましょう。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃液が食道へ逆流し、胃液から粘膜を守ることのできない食道に炎症が起こる症状です。

胸焼けやげっぷ、胃酸が込み上げてくるような呑酸が代表的な症状として挙げられます。

また、逆流性胃腸炎の炎症が続いた場合、食道の扁平上皮が胃の円柱上皮に置き換わってしまう疾患になることがあります。バレット食道には、直接的な症状がないものの、食道がんができる可能性が高いため、軽度な症状でも自覚症状があれば胃カメラで早期検査を進めましょう。

胃ポリープ

胃ポリープも胃カメラによって診断が可能です。

胃ポリープには、胃底腺ポリープ・過形成性ポリープ・腫瘍性ポリープなどの種類があり、多くは胃底腺ポリープに該当します。

過形成性ポリープだった場合、胃の粘膜に炎症が現れ、一部ががん化する可能性があるため、定期的に胃カメラによる検査を行いましょう。

胃がん

胃がんは日本人には多く見られるがんの種類で、ピロリ菌の感染によって引き起こる慢性胃炎が原因と言われています。

早期の胃がんであれば、粘膜表面に留まっていることが多く、胃カメラによる内視鏡治療で根治が可能です。ただし、胃がんには自覚症状がないことが多く、進行してから見つかることが多いため、早期発見のためには定期的な内視鏡検査が大切です。

また、胃がんが進行すると、肝臓やリンパ節へ転移します。進行したがんは胃カメラによる内視鏡で治療ができないため、外科手術や抗がん剤を用いた治療が必要になります。

食道がん

食道がんは60歳代を超えた男性や、飲酒歴や喫煙歴が長い方に多く見られる重大な疾患です。

初期段階では、無症状の場合がほとんどで、がんの進行によって食べ物のつかえ感、背部の痛み、体重減少などの症状が現れます。

無症状の場合が多いため、早期発見のためには胃カメラによる定期的な検査が必要です。また、早期発見ができれば、内視鏡で病変の治療が可能なため、普段から喫煙や飲酒の習慣がある方は胃カメラによる検査を定期的に行いましょう。

胃カメラを受けるべきタイミング

胃カメラで分かること

胃カメラによる内視鏡検査は、胃炎や胃潰瘍、胃がんや食道がんなどさまざまな病変を早期発見できる大切な検査です。

しかるべきタイミングに検査をすることで、病変の早期発見だけでなく、疾患の根治にもつながります。

しかし、胃カメラは頻繁に受けるような検査ではないため、「どのタイミングで受けるのが適切なのか」と悩む方もいるでしょう。

ここでは、胃カメラを受けるべきタイミングを解説します。自分の症状などと照らし合わせながら、適切なタイミングで胃カメラによる検査を受けてください。

症状があれば早急な検査がおすすめ

以下のような症状が見られる場合、胃カメラによる検査が望まれます。

  • 胃痛や胃もたれ、胃の不快感、膨満感などの自覚症状がある方
  • 胸やけや違和感、げっぷ、胃酸が上がりやすいなどの食道に関する症状がある方
  • のどのつかえ感や違和感、慢性的な咳などの症状がある方
  • 黒いタール便が出る方
  • バリウム検査で異常を指摘された方
  • ピロリ菌検査で陽性と判断された方

これらの症状がある場合、消化器官のどこかに疾患が隠れている可能性があります。

「まだ小さな症状だから」と言って我慢を続けていると、症状が悪化するだけでなく、根治が難しくなってしまう可能性があります。症状が続く場合は、必ず病院を受診して、検査を受けるかどうかを医師に判断してもらいましょう。

また、定期検診や人間ドックのバリウム検査で異常を指摘され、精密検査が必要だと判断された場合は、なるべく早い段階で胃カメラによる検査を受けてください。

症状がなくても40歳を超えたら定期的な検査がおすすめ

気になる症状がなくても、40歳を超えたら定期的な胃カメラの検査がおすすめです。

40歳を超えてくると、がんを発症するリスクが高まります。特に胃がんや食道がんは、自覚症状がほとんどない場合が多く、胃カメラによる検査をしなければ発見が遅れてしまうケースもあります。

早期段階でがんを発見できれば、根治できる可能性が高まり、命を失うリスクも減らすことができるでしょう。

症状が現れないことで「自分は健康」と判断せず、1年に一度は定期的に胃カメラの検査を受けることが望ましいです。

まとめ

胃カメラは、胃・食道・十二指腸などの消化器官に発症した病変を観察できる検査です。

自覚症状がある場合、ない場合でも、胃カメラによる検査であれば、胃炎や胃潰瘍、胃がんや食道炎などさまざまな疾患による病変を発見できるでしょう。

JR横浜線・東急東横線「菊名駅」より徒歩1分、横浜市にある『菊名内科内視鏡クリニック』では、経験豊富な専門医が苦痛の少ない胃カメラによる検査を行います。

直径わずか5.8ミリの細径内視鏡を用いた検査は、局所麻酔を使用することで、より苦痛の少ない検査が可能です。

また、胃カメラによる検査は予約してから後日検査を行いますが、症状によっては検査枠が空いていれば受診当日に検査も可能です。

当日検査ご希望の方は、必ず事前にお電話ください。

土曜日の午前・午後にも検査が可能なため、平日の検査が難しいという方でも気軽にご相談ください。