胃カメラは胃がん発見に有効!検査の種類や申込方法・費用などを紹介

胃カメラ 胃がん
胃カメラ 胃がん

「最近なんだか食欲がない気がする」
「40歳を過ぎたら胃カメラって聞くけど、病気が見つかったら恐い」

がん情報サービスの最新がん統計によると、消化器系で一番罹患率の高いがんは大腸がん、続いて胃がんですが、どちらも同等に40歳をすぎるとがん発症のリスクが急に高まります。

この記事では、胃がんを早期発見するために有効な『胃カメラ』について、検査の種類や受診のポイント・検査費用などを紹介します。

がんを発見することは恐怖ですが、発見が遅れることのほうがもっと恐いことです。気になる症状があるなら放置せず、一度勇気をだしてみるためにも、最後までお読みください。

胃がんとは

胃カメラ 胃がん

胃がんは文字通り、胃にできるがんのことです。

『癌』の漢字に含まれる『嵒』とは岩山のことで、病が進むにつれて悪性の腫瘍が増大し岩(嵒)のようになることに由来します。

ここでは胃カメラの紹介をするために、胃カメラで発見できる『がん』について詳しく紹介します。

胃がんは発見しづらい病気

胃がんは早い段階での自覚症状が殆どなく、かなり進行していても症状が目立たない場合があるため、発見しづらい病気といわれています。

かつては日本で最も死亡率が高いがんでしたが、ピロリ菌の除菌治療が進んだことや食生活の改善、健診(検診)などでの早期発見・早期治療が叶い死亡率は減少しています。

胃がんになりやすい年齢

胃がんの罹患率が高まる年齢は50歳前後で、80歳代が最も発症率が高くなり、特に男性が多いといわれています。

胃がんとは胃の粘膜にがんが発生する病気ですが、がんが粘膜かその下にある粘膜下層にとどまるのが『早期胃がん』、粘膜下層を越えて筋層にまで達すると『進行胃がん』と呼ばれます。

早期胃がんが進行胃がんになるまではおよそ3~4年かかるといわれているため、40歳を過ぎるころから積極的に検査するなど、早期発見の努力が強く推奨されています。

胃がんになりやすい人

50歳以上・男性という年齢や性別の他にも、胃がんになりやすい条件は以下の通りです。

  • 塩分の摂り過ぎ
  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 暴飲暴食
  • 刺激の強い食事の摂り過ぎ
  • 不規則な生活

どのような病気の場合でも指摘されるような条件ですが、やはり身体に無理をさせない健康的な生活が一番の予防であり薬です。

ピロリ菌に感染していると胃がんになりやすい

ピロリ菌に感染している人は高確率で胃がんになりやすいといわれています。

ピロリ菌とは、上下水道の普及率が低かった時代に、衛生状態がよくないところで食べ物など口にするものを通して感染する人が多かった菌です。

子どもの頃に感染することが多く、現代の50歳以上の70~80%が感染しているとされ、ピロリ菌に感染していると胃がんリスクが通常の5倍に跳ね上がるといわれています。

胃カメラ検査とは

胃カメラ 胃がん

胃カメラは胃がんを発見するなかでも最も有効な検査ですが、他にも発見可能な病気や、どうやって胃がんを見つけるのかなどを紹介します。

胃カメラは胃がん発見に最も有効

胃カメラ検査が胃がん発見に最も有効と言われる理由は、胃の内部を直接観察でき、生検が可能なところにあります。

胃がんを発見する検査には胃カメラ検査の他にバリウム検査があります。

しかしバリウム検査は別名胃透視検査といって、胃内部の凹凸を影として視るものであり、胃の全体像を視るのは得意でも平坦な病変を見抜くことは困難です。

胃カメラ検査は早期胃がんの病変の微細な凹み・隆起や周辺の色の変化などを直接視て、さらに病変の一部を採取して行う生検も可能であるため、胃がん発見に最も有効な手段とされています。

胃カメラで発見できる病気

胃カメラ検査では、早期発見が完治の要となる恐い病気のほか、体調の異常により不安な思いをしていても実際は治療の必要がない病気など、部位も危険度も幅広い発見が可能です。

食道十二指腸咽頭
・胃がん(早期、進行、スキルス)
・胃腺腫
・胃潰瘍
・ピロリ菌
・胃炎(表層性、急性、委縮性、鳥肌)
・ポリープ(胃底腺、胃過形成性)
・胃アニサキス症
・胃静脈瘤
・胃憩室
・胃粘膜下腫瘍
・胃カルチノイド
・食道がん
・食道胃接合部がん
・食道炎(逆流性、好酸球性)
・食道穿孔ヘルニア
・食道静脈瘤
・異物(食道、咽頭)
・食道乳頭種
・食道粘膜下腫瘍
・十二指腸がん
・十二指腸潰瘍
・十二指腸腺腫
・IgA血管炎
咽頭腫瘍

早期胃がんにはまだ及ばないものの、放置すると胃がんに変わる病気も潜んでいるため、症状がなくても40歳を過ぎたら予防も兼ねて胃カメラ検査を受けましょう。

病変の発見率を高める方法がある

胃カメラ検査には、胃カメラによって内部を映しだす『通常光観察』の他にも、いくつかの工夫された病変の発見方法があります。

  • 組織生検法……疑わしい病変部の組織片を採取し、顕微鏡検査を行う
  • 色素散布法……インジゴカルミン(青い液体)を散布。胃壁の凹凸が発見しやすい
  • 酢酸散布法……酢酸を胃内に散布すると、異常のない部分は白く、がんは赤く浮かび上がる
  • 狭帯域光観察法……粘膜の表面模様や毛細血管に紫と緑の2つの特殊な光で照らす。病変部分は正常粘膜と異なり浮かび上がって見える

クリニックによって実施の有無はありますが、基本として操作技術を必要とする通常光観察の他に、さまざまな方法を駆使してがんなどの病変を探しだします。

胃カメラの選択肢

胃カメラ 胃がん

胃カメラ検査はつらい・苦しいというイメージがありますが、じつは最近の胃カメラ検査はとても受けやすくなっています。

胃カメラ検査を受ける際、選べる検査法やメリットなどをまとめました。

経口内視鏡経鼻内視鏡鎮痛非鎮痛
メリット・操作性がいい
・鉗子口、吸引甲が大きい
・拡大観察機能、送水機能つきの機種がある
・内視鏡が細いため咽頭反射が起こらず楽
・観察しやすい
検査が楽に受けられる・観察時に発声するため観察しやすい
・検査終了後すぐ帰宅できる
デメリット・内視鏡が太い
・咽頭反射があるため観察しにくい
・機種によっては画像がやや粗い
・内視鏡が細いため操作性が若干悪い
・吸引口、鉗子口が小さい
・当日は運転ができない
・麻酔が覚めないと帰れない
・薬による合併症が稀にある
咽頭反射がつらい

内視鏡の太さによって、送水・吸引するスピードや入れられる鉗子などの機材に違いがあります。

胃内は洗浄して空にしてから観察するため、送水できて吸引口が大きければ洗浄に取られる時間が削減できます。

鉗子口については細くても鉗子は通りますが、出血が起こった場合に処置する道具は通らない場合があります。

そしてここで出てくる『観察しやすい』とは、病気を見落としにくいということに繋がります。

麻酔については、以下の2種類があり、必要に応じて併用します。

  • 喉や鼻に使う表面麻酔(局所)
  • 注射による静脈麻酔(全身)

クリニックによって違いのある取り扱い機種や、麻酔薬が使えない理由がある、観察能力が高い検査のほうで安心したいなど、自分が優先したいポイントを見極めることが必要です。

経鼻内視鏡と経口内視鏡の比較についてはこちら

胃カメラを受ける際の注意点

胃カメラ 胃がん

胃カメラを受ける際に知っておきたい注意点を紹介します。

胃カメラは何科?

胃カメラ検査を受けたい場合は、以下の診療科名などを標榜している病院を選びます。

  • 消化器内科
  • 胃腸内科
  • 内視鏡クリニック
  • 健康センター

健康センターの場合は胃カメラ検査が可能かどうかを事前に電話などで確認しておきましょう。

胃カメラ検査の健康保険適用

胃カメラ検査で健康保険を適用するのは、医師がそれを必要と判断するか否かによります。

健康保険は治療を必要とする患者のために、国や保険組合が治療費の数割(一般的には7割、高齢者は1~2割)を支払い、患者の費用負担を軽減するという制度です。

医師が胃カメラ検査を必要としない、または治療の必要がないと判断した症例の場合、安心を得るための検査については医療が必要とは認められないため自由診療(10割負担)となります。

費用に含まれる料金は以下の通りです。

  • 診察料
  • 胃カメラ検査料
  • 生検の処置料・検査料
  • ピロリ菌検査などその他の検査費用
  • 麻酔料
  • 他に検査中に必要となった点滴などの処置料

健康保険適用での相場は全部で2万円前後のため、単純計算でも10割負担で65,000円前後ですが、実費のつもりで検査しても胃がんなど病気を発見すれば保険適用となります。

気になる症状での受診の他に、年一回の健診結果などから検査の必要性が認められるなど、基本的には健康保険が適用される検査です。

ピロリ菌検査を受けてみよう

胃がんになる原因の殆どはピロリ菌が原因といわれているため、よく胃が痛くなる人や胃カメラ検査の機会がある人などはピロリ菌検査を受けることをおすすめします。

ピロリ菌検査は、胃カメラ検査で慢性胃炎や胃潰瘍と診断されると健康保険適用で受けることが可能です。

症状など特に問題ない人がピロリ菌検査を受けると全額負担になり、その相場は約1万円、ピロリ菌感染を認め除菌するとなるともう1万円程度かかります。

胃カメラ検査時に胃炎の所見があればその場でピロリ菌の検査ができるため、検査をしたことがない人は是非一度確認をしておきましょう。

なお、一度検査してピロリ菌が確認されなかった場合、そのあとは検査を受ける必要はありません。

このような症状があったら胃カメラ検査を

以下のような気になる症状がある・よくならないという人はぜひ、胃カメラ検査を受けに行きましょう。

  • 胃(みぞおち近辺)が痛い・不快感・膨満感がある
  • ものが飲み込みにくい・胸がつかえる
  • 吐き気が2週間以上続いている
  • 嘔吐・吐血
  • 血便・黒い便がでる
  • 体重が減り続けている
  • 貧血・倦怠感
  • 胃がん・食道がんになった家族がいる
  • バリウム検査や健診で指摘があった
  • ピロリ菌保菌者または除菌治療した

胃がんは早期に発見すれば完治が可能ですが、罹患初期では自覚がむずかしい病気のため、症状があるなら早々に検査を受けましょう。

胃カメラでのピロリ菌検査についての参考はこちら

まとめ

胃がんは、現代の医療では早期発見できれば90%以上が完治可能といわれていますが、発見に最も有効な胃カメラはその検査が苦痛であるという理由で嫌厭されています。

横浜市にある『菊名内科内視鏡クリニック』では、富士フィルム社最新の直径わずか5.8mmの細径内視鏡を使用した、苦痛の少ない胃カメラ検査を実施しています。

予約状況によっては受診当日の検査も可能のため、お仕事などでスケジュール調整がむずかしい人もまずは『菊名内科内視鏡クリニック』までお気軽にお声がけください。

胃カメラ検査を受診当日に希望する場合の参考はこちら