エコー検査とは

エコー検査とは

エコー検査(超音波検査)とは、その名前の通り、超音波を用いて全身を詳しく調べる検査方法です。

検査部位に専用のゼリーを塗り、プローブ(探触子)をあてながら身体内部の状況を観察します。

レントゲン検査や採血検査とは異なり、X線により被ばくや痛みを伴うことなく、迅速に検査できることが最大の利点です。

エコー検査では、人が聴き取ることができない高い周波数の音波を用いて検査を行います。高い周波数の音波を臓器にあて、跳ね返ったきた音を電気信号に変換することで身体内部の映像が確認できるという仕組みです。

エコー検査は臓器だけではなく、心臓や血管の動きを計測できるため、リアルタイムで血流を確認することも可能です。

身体への負担が少ない検査のため、妊婦や高齢者でも気軽に受けていただけます。

エコー検査を受けるべき症状

エコー検査は、頸動脈・甲状腺・乳腺・心臓・腹部・表在・下肢動・静脈などの検査に有用です。

以下のような症状がある場合は、エコー検査を受けるのが望ましいです。

エコー検査を受けるべき症状
検査部位 症状
頸動脈 意識障害、片麻痺、頸動脈雑音、脈拍減弱、頭痛、めまいなど
甲状腺 首や喉の腫れ、動悸、発汗、食欲低下、体重の増加あるいは減少、むくみなど
乳腺 乳腺の張り/痛み/しこり、乳頭から茶色や黒色の分泌物が出るなど
心臓 高血圧症/心筋梗塞/狭心症の既往がある、不整脈、胸のレントゲン検査・心電図検査で異常を指摘されたなど
腹部 腹痛、みぞおちの痛み、背中の痛み、胃痛、胃もたれ、吐き気/嘔吐、体重減少、肝臓・膵臓・胆のうに異常があると指摘された方、頻尿や残尿感がある方など
表在 皮下にしこり/痛みがあるなど
下肢動・静脈 下肢に痛み/冷感/むくみがある、足の血管がボコボコしている、足の血管が浮き出しているなど

エコー検査で発見できる病気

エコー検査はさまざまな部位を調べられるため、幅広い病気の発見に役立ちます。

エコー検査から発見につながる代表的な病気は以下の通りです。

エコー検査で発見できる病気
検査部位 発見につながる病気
頸動脈 脳梗塞、血管炎、側頭動脈炎、頸部動脈解離、動脈瘤など
甲状腺 甲状腺腫瘍、橋本病、バセドウ病、亜急性甲状腺炎、副甲状腺腫瘍など
乳腺 乳頭腫(乳がん)、乳腺のう胞、乳腺線維腺腫、石灰化、腫瘤、乳管拡張症、乳管拡張症、乳腺症など
心臓 心筋梗塞、心肥大、心臓内血栓、心弁膜症、心膜炎など
腹部 肝臓/膵臓/腎臓/胆嚢/脾臓などの腫瘍性の病気、子宮筋腫、卵巣のう腫、前胆嚢ポリープ、胆石、腎のう胞、腎結石、尿管・膀胱結石、立腺肥大、脂肪肝など
表在 皮下腫瘍、リンパ節炎、脂肪腫など
下肢動・静脈 閉塞性動脈硬化症、深部静脈血栓症など

当院のエコー検査の特徴

当院のエコー検査の特徴
Xario 100

当院のエコー検査では、キャノンメディカルシステムズ社の「Xario 100」と呼ばれる最新機器を使用しております。

高速演算処理プロセッサを搭載しており、データを高速処理することで、より高精度な検査を行うことが可能です。

患者様はモニターにてリアルタイムで身体の状態を確認でき、医師とも会話ができる状態であるため、気になることや疑問、質問など気軽に相談いただけます。

検査時間は概ね10分程度であるため、患者様の負担は最小限に抑えられます。

エコー検査部位

エコー検査部位

ここでは、エコー検査の部位による違いを紹介します。

頸動脈超音波検査

頸動脈超音波検査

頸動脈超音波検査は、以下のような疾患・症状に推奨されます。

  • 頸動脈超音波検査は頸動脈の狭窄および閉塞病変を伴いやすい疾患(脳梗塞、血管炎、側頭動脈炎、頸部動脈解離、動脈瘤など)が疑われる方
  • 上記を示唆する症状(意識障害、片麻痺、頸動脈雑音、脈拍減弱、頭痛、めまいなど)がある場合
  • 動脈硬化の危険因子(糖尿病、脂質異常症、高血圧症、喫煙、肥満など)を持っている方

このような危険因子が存在すると年齢とともに血管は硬くなり、さらにプラーク形成、狭窄、閉塞といった形で進行することが知られています。

そのため、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)、高血圧症、喫煙、肥満、脳梗塞や心筋梗塞の既往のある方は動脈硬化の有無を調べることが大切です。

当院では定期的な検査を通して適切な病気の治療、予防に力を入れております。

甲状腺超音波検査

甲状腺超音波検査

体表の臓器である甲状腺では、CTやMRIといった画像検査より超音波検査の方が、空間分解能が高いため日常診療における有用性が大きいとされています。

超音波での検査ですので被爆もありません。甲状腺腫瘍、橋本病、バセドウ病、亜急性甲状腺炎、副甲状腺腫瘍の方は、採血検査による甲状腺ホルモンのチェックに加えて超音波検査による定期検査が必要となります。

また、甲状腺疾患による症状として首の腫れ、動悸、発汗、食欲低下、体重の増加あるいは減少、むくみといったものがあります。心当たりのある方はお気軽にお声がけください。

乳腺超音波検査

乳腺超音波検査

女性の3大がんの1つである乳がんは、初期のものは自覚症状がないこともあり、がんが進行してから発見されるという問題があります。

さらに、若い年代での罹患が多いことを考えるとその早期発見・早期治療は社会的にも非常に重要です。

マンモグラフィーと並び乳腺超音波検査では乳がん、乳腺炎などの早期発見にとても有用であり、しかも検査時に痛みなどは全くありません。

当院では女性の3大がん(大腸がん、乳がん、胃がん)の早期発見、予防に特に力を入れております。40歳以上の女性の方はぜひ定期的な検査をおすすめします。

心臓超音波検査

心臓超音波検査

心臓超音波検査は痛みや被爆などを伴うことなく、心臓の解剖学的及び機能的評価を行い、心血管疾患の診断に広く用いられています。

また、心臓超音波検査では心臓の動きをリアルタイムで詳細に観察できるため、より多くの情報を得ることができます。

心不全、心筋梗塞、弁膜症、胸水、心肥大といった病気がないかを迅速に調べます。
高血圧症、心筋梗塞や狭心症の既往のある方、不整脈のある方、胸のレントゲン検査や心電図検査で異常を指摘された方は、心臓超音波検査による精査が必要となります。

腹部超音波検査

腹部超音波検査

腹部超音波検査は、健診や人間ドックなどで最も行われている超音波検査の一つです。

調べることができる臓器も幅広く、肝臓、胆嚢、すい臓、腎臓、脾臓、前立腺、膀胱、子宮、卵巣、腸管などを幅広く迅速で的確に検査することができます。

部位によってはCTやMRIといった検査より多くの情報が得られるため、日常診療の中で多用されています。

高血圧症(腎臓、副腎)、脂質異常症(肝臓)、肝機能異常を指摘された方(肝臓)、糖尿病(すい臓、腎臓)、尿検査異常を指摘された方(腎臓、膀胱、尿管)、尿酸値が高い方(腎臓、尿路)、頻尿や残尿感がある方(前立腺、膀胱)には腹部超音波検査を行い病変の有無を調べていきます。

表在超音波検査

表在超音波検査

超音波検査では、体の深部のみならず表層の皮下の病変を調べることもできます。

表在超音波検査では、主に皮下のしこりや痛みなどの症状がある方に検査を行い病変部の形や存在部位などを詳しく調べます。

皮下腫瘍、リンパ節炎、脂肪腫などの疾患を鑑別することが可能です。

下肢動・静脈超音波検査

下肢動・静脈超音波検査

下肢の血管疾患の機能評価において、超音波検査は非常に有用とされています。

動脈や静脈の形状、狭窄や血栓の有無、動脈の硬度(硬さ)、静脈の逆流といったところまで幅広く観察することができ、下肢の血管病変の早期発見のために定期的な検査が望まれます。

下肢の痛みや冷感、下肢のむくみ、静脈瘤が疑われる(足の血管がボコボコしている、血管が浮き出ているなど)症状がある方は、超音波検査で閉塞性動脈硬化症や深部静脈血栓症といった病気がないか調べます。

何か症状に心当たりのある方はお気軽にお声がけください。

エコー検査と内視鏡検査の違い

エコー検査と内視鏡検査の違い エコー検査と内視鏡検査の違い

エコー検査と内視鏡検査の主な違いは、身体の表面から検査するのか、身体の内部から検査するのかです。

エコー検査は幅広い部位の検査が可能ですが、向いていない場面もあります。

例えば、消化管などの中が空洞になっている部位については、気体が多く詰まっています。気体とエコー検査の相性は良くなく、適切に内部の観察ができません。

消化管は内部を直接観察するのが望ましいため、こういったケースでは内視鏡検査の方が向いています。しかし、必ずしもエコー検査が消化管の検査に向いていないというわけではなく、状況次第では必要です。

胃痛を訴える患者様が受診された場合、胃のみが痛みの原因ではなく、周囲の胆嚢や膵臓、肝臓や腎臓などが原因になっているケースもあります。

内視鏡検査は胃の周囲にある臓器までは観察できないため、こういったケースではエコー検査を用いることで、患者様の全体的な状況を把握できます。

検査に対するお悩みや疑問がございましたら、お気軽に何でもご相談ください。

事前のヒアリングから検査後のアフターフォローに至るまで、患者様に寄り添った丁寧なサービスを提供します。