胃カメラとは

胃カメラとは

胃カメラとは、鼻もしくは口から内視鏡を挿入し、上部消化管(食道、胃、十二指腸)の観察を行うための検査を指します。

内部の形状や色調、凸凹などを注意深く観察し、病変や異常がないか確認することが目的です。

また、胃カメラは観察だけではなく、組織の採取をすることも可能であり、病変や何らかの疾患の疑いがある場合は、生検した後に組織検査で詳しく診断を行います。

早期のがんやピロリ菌の有無、ポリープを発見するのに有用であるため、定期的に検査を受けることが望ましいです。

当院の胃カメラの特徴

当院の胃カメラの特徴

当院の胃カメラ検査では、日本消化器内視鏡学会専門医により苦痛の少ない内視鏡検査を実施しています。

当院での内視鏡検査の特徴は以下の通りです。

  • 安全かつ安心で楽な検査
  • 最新機器による質の高い検査
  • 内視鏡検査の経験が豊富な専門医による検査
  • 受診日当日や土曜日でも対応し、患者様の時間的ご都合に配慮した検査

当院で行う胃カメラ検査では、富士フィルム社の最新の細径内視鏡を使用しています。細径内視鏡

直径はわずか5.8mmであり、局所麻酔を使用することで鼻からでも口からでも苦痛が少ない検査が可能です。

鼻からの検査であれば医師と会話することも可能であるため、安心して検査を受けていただけます。

これまでの細径内視鏡では、太い経口の内視鏡に比べて画質や明るさが不十分な場合があり、場合によっては適切な観察や操作が困難なケースがありました。

しかし、当院で使用している内視鏡機器は最新のLEDを光源として使用しているため、より小さな病変の見落としを防止できます。

当院での胃カメラ検査の施行医

当院での胃カメラ検査の施行医当院の施行医(院長)は、日本消化器内視鏡学会の専門医として長年大学病院や総合病院、クリニックにて内視鏡検査と治療にあたってきました。

早期食道がんや胃がん、大腸がんなどの内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術、内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術)を中心に悪性腫瘍の治療も数多くしてきたからこそ、内視鏡検査による早期がんの発見には自信をもって対応し、患者様のニーズにお応えできると考えております。

基本的には胃カメラ検査は予約をおとりして後日検査を施行しますが、患者様の状態や検査予約状況に空きがありましたら、受診当日に検査を受けていただくこともできます。当日検査ご希望の方は、必ず事前にお電話での確認のほどお願いします。

また、当院では平日以外にも土曜日の午前、午後とも検査を受けていただくことが可能です。平日お仕事などで受診が困難な方もお気軽にお声がけください。

胃カメラが必要なケース

胃カメラが必要なケース

以下のような症状や経験がある方は、胃カメラによる検査が必要です。

  • 胃痛、胃もたれ、胃の不快感、膨満感などの胃の症状がある方
  • 胸やけ、胸の違和感、げっぷ、胃酸が上がる、胸のつかえ感などの食道の症状がある方
  • のどの違和感、のどのつかえ感、ものが飲みにくい、慢性の咳がでるなどの喉の症状がある方
  • 貧血を指摘された方
  • 黒い便が出る方
  • 健康診断や人間ドックのバリウム検査で異常を指摘された方
  • ピロリ菌検査で「陽性」と判定された方や、ご両親にピロリ菌陽性を指摘された方
  • ピロリ菌の除菌治療をされた方
  • 胃がん、胃潰瘍の治療をしたことがある方
  • 血縁者に胃がんを患った人がいる方

胃カメラでわかる病気

胃カメラでわかる病気

胃カメラは、さまざまな病気の発見に役立ちます。
発見できる代表的な病気は以下の通りです。

胃がん

胃がんとは、胃壁の内側を覆う粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞に変化し、無秩序に増殖する病気のことをいいます。

早期の段階では自覚症状がない場合が多く、進行しても症状が現れないというケースも少なくありません。

食道がん

食道がんとは、食道の内面を覆っている粘膜の表面にがんが発生する病気です。

食道内の至る場所に発生する可能性がありますが、食道の中央付近から発生するケースが多いです。

十二指腸がん

十二指腸がんとは、胃と小腸をつなぐ十二指腸にがんが発生する病気です。
早期の段階では腫瘍が小さく、自覚症状もほとんどありません。そのため、がんが進行して腫瘍が大きくなるまで気づかないという方が比較的多いです。

ピロリ菌

ピロリ菌は、胃の粘膜に生息する細菌の一種であり、正式名称はヘリコバクターピロリといいます。

明確な感染経路は解明されていませんが、経口感染の可能性が高いと考えられています。

ピロリ菌に感染している状態が長く続くと胃に炎症が起こり、慢性胃炎になるケースがあるため、早期の治療が必要です。

胃潰瘍

胃潰瘍とは胃液中の塩酸やペプシンが胃を保護している粘膜を消化し、胃壁に傷をつけてしまう病気です。

ストレスが原因で発生するケースが多く、現代社会の代表的な病気の一つとして知られています。

症状が進んだ場合は胃に穴が空き、腹膜炎に発展するリスクがあります。

十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍とは、胃液中の塩酸やペプシン(胃酸)の刺激によって組織が剥がれ落ち、内部からえぐられる病気です。

胃潰瘍と共通する部分はありますが、胃に比べて十二指腸は筋層が薄いことから深部まで進行しやすい特徴があります。

胃炎

胃炎とは、胃の粘膜に炎症が発生する病気です。

ストレスや薬の影響、感染症や組織の損傷、食べ過ぎや飲みすぎなど、さまざまな原因によって引き起こされます。

ピロリ菌が原因で発症するケースもあり、放置した場合は胃・十二指腸潰瘍や胃がんに発展する恐れがあります。

胃ポリープ

胃ポリープとは、胃の粘膜表面にいぼ状の突起ができる病気です。

胃ポリープは良性(胃底腺ポリープ、過形成ポリープなど)と悪性(がん)に分けられます。

発症しても無症状である場合がほとんどであり、バリウム検査や胃カメラ検査で発見されるケースが多いです。

胃アニサキス

胃アニサキスとはサバやサンマ、カツオやサーモンなどの魚介類に寄生する寄生虫の一種であるアニサキスが胃壁に食いつくことで発症する病気です。

新鮮な魚を食してから数時間後に激しい胃の痛みや吐き気、嘔吐などの症状が現れます。

これらの症状はアニサキスが胃壁に食いつくことによって生じるものではなく、アニサキスに対するアレルギー反応であることが分かっています。

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃の内容物が食道に逆流して炎症を引き起こす病気です。

成人の1割〜2割ほどが発症しているといわれており、特に中高年や高齢者に多く見られます。

発症した場合は、胸やけや酸っぱいものが上がってくる感覚、旨やみぞおちの痛みなどの症状が現れます。

さらに胃酸の逆流が長期間繰り返されると食道がんのリスクが上がることも分かっており、適切な治療が必要とされます。

機能性ディスペプシア

機能性胃腸症とは、胃カメラの検査を行っても炎症や潰瘍、がんなどの異常がないにもかかわらず、胃痛や胃もたれを感じる病気です。

以前は胃下垂や神経性胃炎、慢性胃炎などと診断されていました。しかし、胃の粘膜に異常がないにもかかわらず胃炎という言葉を使うのは適切ではないと判断され、機能性ディスペプシアと呼称するようになりました。

精神的なストレスや過労などの肉体的ストレスなどが原因であると考えられ、胃の拡張機能や収縮機能が低下することで発症すると考えられています。

胃カメラの流れ

胃カメラの流れ

胃カメラによる検査の基本的な流れは以下の通りです。

STEP1

前日の夕食は軽いメニューにし、午後9時までに済ませていただき、以降固形物は摂取しないでください。

STEP2

検査当日はお水やお茶などの水分は摂取可能ですが、コーヒーや牛乳などは控えてください。

STEP3

当日朝の内服薬は6時頃に内服してください。
(糖尿病を患っている場合は薬の内服やインスリン注射は行わないでください)

STEP4

来院後は鼻腔内の粘膜をとり、出血を予防する血管収縮剤を点鼻します。

STEP5

麻酔薬を鼻腔内にスプレーし、内視鏡が入りやすくなるように細いカテーテルを挿入後に麻酔薬を注入します。

STEP6

内視鏡検査を開始。検査時間は概ね5分~10分程度で完了します。

STEP7

検査後は医師から結果説明を行います。

STEP8

喉の麻酔が効いているため、飲食は検査終了後1時間から可能となります。
(組織検査を行った場合は激しい運動やアルコールの摂取は控えてください)

胃カメラの痛み・違和感を抑える方法

胃カメラの痛み・違和感を抑える方法

胃カメラ検査は慣れている患者様でも緊張してしまうものです。

しかし、緊張感が強い場合は身体に余計な力が入ってしまい、胃カメラが挿入しにくくなる場合があります。

胃カメラ検査で生じる痛みは、緊張感によって力が入った喉に胃カメラを通すことが原因の一つと考えられます。

胃カメラの痛みを抑え、安全かつ速やかに検査を終えるためには、可能な限りリラックスすることが重要です。

当院では、鎮痛剤を使って検査をすることも可能です。 また鎮静剤を使用した場合は、検査後の運転や高所での作業ができないため、注意が必要です。

胃カメラの費用

胃カメラの費用"

胃カメラの費用は、麻酔や前投薬の有無、生検による組織を調べる病理検査の有無、処置の有無などで異なります。
当院で行われる胃カメラ検査の費用目安は以下の通りです。

  保険:2割負担 保険:3割負担
胃内視鏡検査(観察のみ) 4,000円ほど 6,000円ほど
胃内視鏡検査+生検+病理組織検査 6,000円~8,000円ほど 9,000円~12,000円ほど
胃内視鏡検査+ポリープ切除+病理組織検査 13,000円~20,000円ほど 20,000円~30,000円ほど

胃カメラについてよくある質問

胃カメラについてよくある質問

検査時間はどれくらいかかりますか?

胃カメラによる検査はおよそ5分程度で完了します。組織を調べる生検を行った場合でも10分程度で検査を終えられます。

検査前の食事について教えてください。

前日21時以降の食事は控えるようにしましょう。水や白湯は飲んでいただいて構いません。

検査前に薬を服用しても良いですか?

薬の種類や内容にもよりますが、基本的には通常通り服用して問題ありません。
検査を実施する前に薬の詳細についてお聞きします。

検査時の服装について教えてください。

お腹を締め付けない楽な服装でいらしてください。

当日に検査はできますか?

検査は予約制となっておりますが、当日の検査枠の状況や患者様の症状によっては当日検査を行うことがあります。

当日検査をご希望の方は、必ず事前にお電話にてご確認いただけましたらと思います。