- 発熱
- 咳
- 鼻水
- 喉の痛み
- 嘔吐
- 下痢
- 血便
- 腹痛
- 子供の頭痛
- 熱性けいれん
- 突発性発疹
- アデノウイルス感染症
- RSウイルス感染症
- ヒトメタニューモウイルス
- 溶連菌感染症
- インフルエンザ
- マイコプラズマ
- クループ症候群
- 手足口病
- ヘルパンギーナ
- はしか(麻疹)
- 風疹(3日はしか)
- おたふくかぜ
(流行性耳下腺炎) - 水ぼうそう
- 伝染性紅斑(リンゴ病)
発熱
発熱は、体がウイルス・細菌と戦うための自然な反応です。体温が上昇するとウイルスや細菌の力は弱くなり、感染の拡大を防ぐことができます。お子さんが熱を出すと不安になるかと思いますが、それは体が病原菌を追い出そうとしているサインなのです。
発熱の定義について
一般的に発熱とは、体温が37.5℃以上に達した状態です。問診時の相談をスムーズに進ませるためにも、お子さんの体温や症状を細かく記録しておきましょう。
体温は1日の中で変動し、朝は低めで夕方には少し上がることが一般的です。また、運動後や食後にも体温は上がります。赤ちゃんの場合、室温が高いと体温も高くなることがあるため注意が必要です。
「元気があるのに体温が高い」と言った場合は、一度お子さんの服装を薄着にして、少し様子を見てから再度体温を測ると良いでしょう。
解熱剤の使用方法
お子さんが高熱を出した時、「どうしよう」と心配になる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。もし熱があり、お子さんが苦しそうな様子を見せていましたら、解熱剤を使用してみましょう。
ただし、元気であったり、深く眠っていたりしている場合は、無理に解熱剤を使わなくても問題ありません。
なお、解熱剤はあくまで、一時的に熱を下げて辛さを和らげる薬です。病気そのものを治癒させる効果は含まれていないため、お子さんが辛そうな時に使うことが重要です。解熱剤を使用した後は、次の服用までに6〜8時間の間隔を空けてください。
解熱剤には飲み薬と座薬があり、どちらも効果は同じです。お子さんが飲み薬を飲みにくい場合は座薬を、座薬を嫌がる場合は飲み薬を選んでください。飲み薬と座薬の同時併用は禁物です。
発熱があった時の受診の目安
お子さんに発熱が見られた場合、「どうすればいいのだろう」と不安になるかと思います。
その際は、以下の対応方法を行いましょう。
- お子さんが37.5〜38℃の微熱で、元気に遊んでいる場合は、すぐに病院へ行かなくても問題ありません。ただし、夜間に熱が出た時は、翌日に受診するのが望ましいです。
- 生後3ヶ月未満のお子さんに発熱が見られた場合は、速やかに病院へ問い合わせてください。特に、新生児期のお子さんは大きな病気にかかっているサインが少ないため、迅速な対応が不可欠です。
- 赤ちゃんが「元気がなさそう」「顔色が良くない」「呼吸が速い」など、いつもと違う様子を見せている場合は、迷わずに病院へ受診してください。
お子さんのことを一番知っているのはお母さんとお父さんです。保護者の方の直感と行動が、お子さんの健康を守る鍵となるため、「何か変だ」と少しでも感じたら速やかに受診しましょう。
咳
咳の原因は多岐にわたります。1つは気道に入り込んだ異物(ホコリなど)を外に出すための反応です。ウイルスや細菌に感染して気道に炎症を起こした場合は、痰を出すために咳が出ますし、アレルギー反応として咳が起こることもあります。このように、咳は体が本来持っている防御反応で、異物や炎症による痰などを体の外に追い出す役割を果たしているのです。異物を追い出すための自然反応である咳を無理やり止めようとすると、細菌やウイルスなどの病原体が体の中に留まってしまう恐れがあります。
とはいえ、咳が長引くと子供の体力が消耗され、食欲も減ってしまう可能性があります。そのため、咳が長く続いている場合は原因を特定し、1人ひとりに合った対処法を行うことが重要です。
咳を止める治療を行うかどうかは、他の症状や状態に配慮しながら決定します。咳が続いたり、お子さんの体調が心配だったりする場合は、一度ぜひ受診してみましょう。
咳が続く期間
風邪による咳はほとんどの場合、10日以内には半数が改善し、約4週間(25日)で90%の方が治ります。しかし、症状により異なることもあります。
咳が2週間以上も長引いている場合は、他の病気のサインとして生じているかもしれません。具体的な病気として、気管支炎、喘息、肺炎、胃酸逆流症などが挙げられます。これらは一般的な風邪の症状とは異なる特徴を持っていることが多いため、風邪と診断されても咳が2週間以上続く場合は、再受診するのが望ましいです。
また、幼稚園や保育園などで子供同士が繰り返し感染することもあり、その結果、咳や鼻水が長引くことがあります。風邪の原因となるウイルスは数多くいるので、子供達はこれらに感染することで自然に免疫力を高めていきます。その結果、短期間のうちに次々と感染するようになるのです。受診する際には、このような状況を医師に詳しく伝えておけるようにしましょう。
鼻水
ウイルスや細菌が鼻に侵入して増殖すると、感染が引き起こされます。これに対抗するために、鼻水が体の防御反応として働きます。鼻水は鼻腔を洗い流し、微生物や異物を排除する働きを担っています。
また、アレルギー物質が鼻に入り込んだ時も、鼻水はそれを洗浄してアレルギー反応を抑えます。
昔は、風邪による鼻水をコントロールするために抗アレルギー薬が処方されていました。しかし、風邪による鼻水の多くはウイルス感染によるもので、アレルギーとは全く関係がありませんし、抗アレルギー薬の効果は限定的なものです。
そのため、現在では鼻水症状があった時、抗アレルギー薬が処方されるといったケースはほとんどなくなりました。風邪の症状を落ち着かせたい時は、十分な休養や水分補給を心がけましょう。
鼻水の色が変わったら抗生剤は必要なのか
鼻水の色が変わることは、風邪および感染症でよくある症状です。しかし、「鼻水の色が変わった」=「抗生物質が要る」とは言い切れません。抗生物質は細菌に対して有効とされていますが、風邪やウイルス感染症には効きにくいです。風邪の多くはウイルスによるもののため、抗生物質を使用するのが適切な治療法とは断言できません。また、「鼻水の色が変わった」=「細菌感染のサイン」とは限りません。鼻水の色のみで自己判断するのは難しいので、医師の診断を受けるようにしましょう。
喉の痛み
喉の痛みは子どもに多い症状の1つで、ウイルスや細菌の感染によって起こるものです。アデノウイルスや溶連菌などの微生物が喉の粘膜に感染した時に炎症を起こし、それによって痛みが生じたり不快感を伴ったりします。
また、他の風邪症状(例:発熱、咳、鼻詰まりなど)と伴って喉の痛みが起こるケースはよくあります。原因であるウイルス・細菌を調べるために、病院ではアデノウイルスや溶連菌の迅速検査を実施することがあります。迅速検査は、感染の流行や診察結果に基づいて実施され、正確な診断をつけるのに有効です。
嘔吐
嘔吐は、胃や腸の中に入っている異物を外に追い出す反応として起こります。子供の嘔吐の原因として一番見られるものはウイルス性胃腸炎です。ウイルス性胃腸炎は、感染したウイルスが胃や腸を刺激することで嘔吐を引き起こす病気です。
しかし、嘔吐の原因はお腹だけとは限りません。他の要因が関わっていることもあり、中には迅速な処置を要する嘔吐もあります。さらに、年齢によっても嘔吐を起こす原因は異なるため、慎重に判断する必要があります。
嘔吐が起きた場合は、お子さんの様子をしっかり見て、症状や他の病気がないか注意して見守ることが重要です。
経口補水液とは
子供が下痢や吐き気が続くと、体の水分量が失われてしまいます。その場合は、経口補水液(例:OS-1やアクアライトなど)を活用しましょう。吐き気が治まりましたら、一度にあげる水分量を10ml、20mlと徐々に増やしてみてください。 下痢のみの場合でも十分な水分補給は欠かせないため、体から失われる水分をしっかり補充することが大切です。症状が長引いたり脱水症状が起こったりした際は、迷わずに受診してください。脱水は危険な状態なので、早めに、かつ間隔を空けずに何度も水分補給を行ってください。
下痢
「下痢」と定義されるのは、便が通常よりも柔らかくなる(軟便)または水様状となる(水様便)状態で、便の回数や量が増加する現象です。子供が頻繁に下痢を経験すると、体内の水分が喪失し、その結果、脱水症状を引き起こす恐れがあります。
子供における下痢の主要な原因はウイルス性の胃腸炎であり、その中にはノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが含まれます。特に、ロタウイルスによる胃腸炎は重篤化しやすい傾向にありますが、近年ではロタウイルスワクチンの普及により、重篤化する子供の数はかなり減少しています。
血便
「子供の便に血が混じる」という現象は、多くの親が一度は経験することでしょう。安心していただきたいのですが、血便の原因は多岐にわたります。
例えば、お子さんが少々下痢気味で、便に少し血が見えることがあるなら、主な原因としては「お腹の風邪」、つまりウイルス性腸炎が考えられます。
一方で、子供が高熱を出したり、お腹の具合が悪そうにしたりしていた場合には、細菌性腸炎が疑われます。さらに、元気な赤ちゃんで、特に母乳を飲んでいる子が、少量の血を含んだ便を出した場合には、リンパ濾胞増殖症の可能性も考えられます。一方、便通が正常で、少しだけ血が見られる程度でしたら、便秘により肛門に裂傷が生じている可能性も考えられます。また、「腸重積」という腸が閉塞する疾患によって、血液の循環が悪くなることで便に血が混じるというケースもあります。特に、赤ちゃんが頻繁に泣いていて、便に血が見えるようになり、かつ嘔吐が見られる時には、この腸重積が疑われます。このような症状に気づいた場合には、直ちに受診しましょう。
しかしながら、全ての「血便」が病気によるものとは限りません。食事が原因で、便が赤くなることもあるのです。また、見間違えることもあります。
便に血が混ざっているかどうか不安な時は、その便をそのまま医療機関に持って来ていただくかスマホで写真を撮ってからご来院いただき、医師に相談すると良いでしょう。
腹痛
子どもが「お腹が痛い」と訴える原因は多様です。一般的には、便の状態の変化、例えば下痢や便秘により、腹部の動きが通常と異なることが主な理由です。
しかし、それらがすぐに解消されない場合は、早急に医師の診断を受けることが重要となります。その場合は、痛みが持続していないか、熱がないかといった様子も慎重に観察してください。
しかし、「お腹が痛い」=「何かしらの重い病気が隠れている」とは言い切れません。下痢や便秘の症状がなくてもぐったりした様子を見せていましたら、他の病気が隠れていることも考えられます。
いつもと違う症状が続いた際は、早いうちに病院へ相談しましょう。
子供の頭痛
子供が頭痛を訴える理由は多岐にわたります。主に「急性の頭痛」は風邪や発熱などで突然現れるものですが、片頭痛のように、長引いたり繰り返し起こったりする「慢性・反復性の頭痛」もあります。前に述べた原因以外による頭痛も存在しています。
熱性けいれん
熱性けいれんは、突然の高熱をきっかけに発症するけいれんです。特に、生後6ヶ月~5歳までの期間は、この現象が起こりやすいとされています。それほど特異な現象ではなく、一般的に10人の子供のうち1人は経験すると言われています。
また、熱性けいれんを経験した子供のうち、2/3は一度だけの出来事で、再発するのは1/3程度です。それでも、万一再発した場合への備えとして、正しい対処法を知っておくことは非常に重要です。
さらに「熱が上がってけいれんを起こす病気は熱性けいれんだけではない」ということも覚えていただければと思います。子供がけいれんを起こした際には、救急車を呼び病院で適切なアドバイスを受けてください。
突発性発疹
突発性発疹は多くの場合、生後6ヶ月~2歳程度の幼児に発症するものであり、ヒトヘルペスウイルス6型や7型が原因とされています。この疾患の特徴は、急激な高熱と発疹です。
急に高熱が現れ、その熱は通常3~4日間も続くことが一般的です。この期間中、咳や鼻水など風邪の症状はほとんど現れませんが、下痢を起こすことがあります。
そして、熱が下がると体全体に発疹が生じます。この発疹が現れる際に、子供がぐずる様子を見せることがよくありますが、安心してください。この発疹は2~3日で薄くなり、その後消失していきます。数日間はお子さんがぐずってしまうかもしれませんが、その後は元気に過ごすことができるでしょう。
ただし、この疾患は、発疹が出現して初めて診断されるという点に気を付けていただきたいです。発疹が発生する前に突発性発疹と診断されることは、難しいとも言えるのです。突然の高熱に対する心配を落ち着かせるためにも、様子がおかしいと少しでも感じた場合は、早めに医療機関へ受診してください。
アデノウイルス感染症
アデノウイルス感染症は、通常、喉の痛み(咽頭・扁桃炎)、目の赤み(結膜炎)、お腹の不調(胃腸炎)の3つの形態で現れます。
これらの症状がありましたら迅速検査キットを使用します。検査キットを使用すれば、15分ほどで診断できます。
症状の詳細については以下の通りです。
- 喉の痛み(咽頭・扁桃炎):39~40度の高熱が4~5日続きます。喉の痛みが特徴です。
- 目の赤み(結膜炎):目が赤く腫れ上がり、目やにが出ます。
- お腹の不調(胃腸炎):下痢や吐き気、腹痛が起こることがあります。
アデノウイルス感染症は、結膜炎の場合には「はやり目」と呼ばれます。結膜炎だけでなく咽頭・扁桃炎も見られる状態は「プール熱」と言います。
残念ながら、アデノウイルスに直接作用する薬は現在ありません。そのため、目の赤みを緩和させる薬や、二次感染を予防する目薬が使用されます。
アデノウイルス感染症は周りにも感染する恐れがあるので、注意が必要です。
はやり目の場合は感染のリスクがなくなるまで、プール熱の場合は、熱や咽頭炎、結膜炎の症状が消失するまで、学校・保育園を2日間休んでください。
RSウイルス感染症
RSウイルス感染症は、子供が風邪を引く原因の1つとされる病気です。「一度感染したらもう発症しない病気」ではなく、何度も感染するリスクを伴います。実際に、70%のお子さんが1歳までに、2歳までには大半のお子さんが1回以上感染するとされています。
1歳未満の場合、15分ほどで結果が分かる迅速検査キットを使って診断をつけられます。大きなお子さんの場合は、咳から始まることがありますが、1週間~12日ほどで回復するケースがほとんどです。しかし、小さな赤ちゃんの場合、鼻水が出始めてから2~3日後に急に息切れや呼吸音の変化、母乳やミルクの摂取が難しくなるといった症状が現れます。こうした症状は、約1週間のうちにピークを迎え、咳が治まるまでに2~3週間かかる傾向にあります。
生まれてから6ヶ月未満の赤ちゃんや、早産の赤ちゃん、また、先天性の心臓や肺の問題を抱えるお子さんは特に注意を要します。
RSウイルスには専用の治療薬がなく、症状緩和の治療が中心となります。通常は病院の外来で処置可能ですが、ミルクの摂取が難しい場合や、十分な酸素が確保できない場合は、入院が必要です。
ヒトメタニューモウイルス
ヒトメタニューモウイルス感染症は、お子さんの風邪の原因の1つとなる疾患です。ヒトメタニューモウイルスは子供達がかかりやすいウイルスであり、2歳までの子供達は50%以上、10歳までのお子さんのほぼ全員が1回以上感染しているとされています。また、感染を複数回経験する子供もいます。
この疾患の典型的な症状として、咳、鼻水、息苦しさ、そして発熱が挙げられます。熱は5日間ほど続くことがあり、持続する場合は医師にご相談ください。
治療についてですが、ヒトメタニューモウイルスに効く薬は存在していないため、基本的には症状を緩和するための治療が実施されます。
多くの場合、病院の外来で対処できますが、ミルクを十分に摂取できない場合や適切に酸素を取り込めない場合は、入院が必要になる可能性があります。
溶連菌感染症
溶連菌感染症は、主に喉の痛みや発熱が現れる疾患です。特に、喉の奥や口の上部に僅かな出血点が見られ、体や手足に発疹が現れることがあります。
発疹が出る際には、「しょう紅熱」とも称されます。赤くなった舌、いわゆる「イチゴ舌」もこの病気の特徴です。さらに、腹痛や嘔吐の症状が生じることもあります。
溶連菌に有効な抗菌薬を用いた治療方法が行われます。具体的に言いますと、ペニシリン系の医薬品が10日間服用される方法が一般的とされますが、処方薬の種類によって治療期間が変わることもあります。
治療開始から1〜2日経つと熱が下がることが多いのですが、熱が下がった場合でも、医師の指示に従い、薬を最後までしっかり摂取してください。
発疹は通常、3〜4日で消失します。
ただし、途中で薬を中断すると、再発の可能性や関節痛などを引き起こすリウマチ熱に繋がるリスクがあるので、安易な自己判断は禁物です。
また、稀にですが、この病気から腎炎へ移行するケースもあります。治療を受けてから1~4週間後に、ぐったりしている、尿量の減少、顔のむくみ(特に目の周り)、尿が赤くなるなどの症状が現れた際には、直ちに医師へご相談ください。
溶連菌感染症の治療を開始してから24時間後、お子さんの熱が下がって元気な様子を見せているようでしたら、登校・登園させても問題ありません。
インフルエンザ
インフルエンザは、高熱が急に出ることで、体がだるく感じられる疾患です。喉の痛みや頭痛、筋肉痛などが伴うこともあります。咳や鼻水がほぼ同時に現れ、場合によっては吐き気や下痢などの症状も見られます。熱は通常4~5日間続くことが一般的であり、子供の場合は、一度熱が下がった後に、数日後に再び熱が出るケースもあります。
診断方法は迅速検査キット(約10分で結果が出る)ですが、発症後12時間以内や5日以上経過している場合は、検査精度が下がる恐れがあります。
治療には、タミフルやリレンザ、イナビルなどのインフルエンザ治療薬が使用されますが、実際には薬を使用しなくても、自然治癒がほとんどです。発症後48時間以内に薬を服用すると、回復までの期間が半日~2日短縮される傾向があります。
発症してから5日間(発熱日を0日として)、その後熱が下がるまでのさらに2日間(幼児の場合3日間)は、登校・登園しないでください。また、異常行動として、急激な走り出しや幻覚などが起こることもあります。そのため少なくとも2日間は、お子さんを1人にしないでしっかり様子をうかがいましょう。
マイコプラズマ
幼児から学齢期のお子様に頻繁に見られる症状です。
マイコプラズマ肺炎では、鼻水の量は比較的少なく、主な症状として乾いた咳や微熱が見られます。一部の患者様(約10%)では肺炎へ進展することがあります。特筆すべきは、熱があっても比較的元気でそこそこ動けるという点です。
治療には抗生物質が処方されますが、マイコプラズマによる上気道炎や軽度の気管支炎でしたら、抗生物質なしでも自然に回復することがあります。症状が重症で、呼吸困難や水分の摂取が難しい場合、入院を検討されます。
また、クラリス(クラリスロマイシン)などのマクロライド系抗生物質は甘いコーティングがされていますが、風邪薬や酸性の飲み物(ポカリスエットやオレンジジュース、ヨーグルトなど)と混ぜると、コーティングが剥がれて苦味を強く感じやすくなります。そのため混ぜる際には、チョコレートアイスクリームやココアなどをお勧めします。
クループ症候群
クループ症候群は主として乳幼児(好発年齢:6ヶ月~3歳頃)に見られる疾患で、ウイルス感染によって喉頭(声を出す器官)や気管が腫れて狭くなり、独特な咳や声枯れ、呼吸困難などの症状が現れます。
クループの主な症状は「犬吠様咳嗽」(アザラシや犬の鳴き声に似た咳)と「声枯れ」です。症状が進むと、吸気時に「ゼーゼー」という音が鳴る「吸気性喘鳴」や、努力して呼吸する「努力性呼吸」(胸骨や肋間が凹む)などが起こります。
診断は主に症状を基に行います。鑑別診断のために、レントゲンや血液検査を実施する場合もありますが、一般的には特有の症状からクループを診断することができます。
治療は重症度に応じて行われ、主に吸入薬やステロイド剤を使って喉の腫れを改善させます。ご自宅での休息や水分補給、湿度調整などの対症療法も重要です。呼吸困難が増したり、適切な酸素摂取ができなくなったりした場合は、入院し治療を受ける必要があります。そのため、早めに医療機関を受診し、適切な治療を開始することが要されます。
手足口病
手足口病はエンテロウイルスが原因で起こる病気です。軽い発熱が出ることもありますが、発熱を伴わないケースも存在します。発症してから2日目頃には、手の平、足裏、足甲、口の中に小さな水ぶくれが発生します。これは、お尻や膝にも生じることがあり、かゆみを伴う水ぶくれもあります。
口内に水ぶくれが生じると喉の痛みがひどくなり、食事に支障をきたすこともあります。残念ながら手足口病に対する特定の治療法は存在しません。そのため、特別な薬を使用する治療ではなく、お子さんが感じる痛みや不快感を和らげることを重要視しながら対症療法を行います。手足口病は通常の場合、3~7日で自然に改善します。
また、完全に回復した後でも、1ヶ月程経つと爪が割れたり剥がれたり、指の皮が剥けたりすることもあります。これは一時的なもので心配する必要はありません。発熱がなく、普段通りに食事できている場合は、登園・登校しても問題ありません。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは、「エンテロウイルス」と呼ばれるウイルスによって発症する病気です。急激な高熱(41℃に達する場合もあります)や、喉の痛み、よだれが増える、吐き気、腹痛などの症状が見られます。口の中、特に口蓋垂の付近に小さな水ぶくれや潰瘍、赤みが現れることもあります。高熱は1~4日で和らぎ、口内の症状も通常1週間程度で緩和されます。ヘルパンギーナそのものを治す治療法は存在しませんが、痛みや熱をひかせる薬を用いて症状をコントロールします。回復して体調が戻り、いつも通りに食事ができるようになれば、学校や保育園に出席しても問題ありません。
はしか(麻疹)
麻疹は麻疹ウイルスによって発症する病気ですが、空気感染を介して伝染します。感染してから症状が現れるまでの期間(潜伏期間)は、およそ10~12日です。最初の2~4日は、高熱、咳、鼻水、目の異常など、風邪に似た症状が起こります。その後、いったん熱が下がってから再び高熱が出て、麻疹特有の発疹が現れます。その後の3~4日間は高熱が長引きます。
麻疹は非常に感染力があり、合併症のリスクも高い病気です。合併症としては脳炎や肺炎などが挙げられ、これらは非常に深刻な状態に陥る恐れのある病気でもあります。実際、麻疹による死亡率は、インフルエンザウイルスの10倍とも指摘されています。
さらに、麻疹に対する特効薬は存在していません。麻疹を予防する最良の方法は予防接種です。また、お子さんが麻疹を発症した場合は、熱が下がっても最低3日間は登校・登園を避けてください。
風疹(3日はしか)
風疹ウイルスが原因で起こる病気です。咳や鼻水を介して飛沫感染や接触感染が起こります。風疹の典型的な症状には、微熱、リンパ節の腫れ、小さな赤い発疹(頬や体に現れる小さな赤い点)が挙げられます。この発疹は全身に広がることもありますが、一般的には3日ほどで消失します。熱に関しては、微熱が出ることもあれば、全く出ないケースも存在します。また、お子様が成長するにつれて、頭痛や関節痛が出ることがあります。熱が下がり、発疹が完全に消失するまでの間は、登校・登園を避けてください。
迅速検査などでの早期診断は行えないため、診断には、血液検査(風疹特異的IgM抗体の検査など)が必要です。
妊娠中の方が感染初期に風疹を発症すると、生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓に障害が生じる恐れがあります。そのため感染した場合は、妊娠中の方に近付かないようご注意ください。妊娠中の方でもし、「風疹に感染したのでは」と心配されている場合は、かかりつけの産科医にご相談ください。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
「おたふくかぜ」とは、「耳下腺や顎下腺(耳の前や顎の中心にあり、唾液を生成する部分です)」が腫れて痛む疾患です。食事を摂る時、特に痛みが増すという特徴を持っています。多くの場合、片側の耳下腺が腫れ始めると、2日以内に反対側の耳下腺も腫れてきます。ただし、片方のみが腫れることもあります。腫れがピークを達するのは発症してからおよそ3日目で、1週間ほどで治まるケースが一般的です。
幼いお子さんではほとんど熱が出ませんが、小学生のお子さんが発症すると、発熱が見られることもあります。おたふく風邪の診断は、このような症状から行います。血液検査でチェックすることもありますが、ほとんどの場合、症状が落ち着いてから結果が出ます。
治療法は特に存在していませんが、痛みを和らげるための痛み止めを処方することがあります。腫れてから5日経ち、熱が下がり、食欲が回復して元気が出るまでの間は、登校・登園を避けてください。
また、1歳以上のお子さんには、おたふく風邪の予防接種を受けることを推奨します。
水ぼうそう
全身にかゆみを伴った水ぶくれが発生する病気です。主な原因は水疱性帯状疱疹ウイルスの感染です。水ぶくれは主に首回りや胸、腹部に見られますが、時には顔や手足にも広がることがあります。
初期段階では、小さな赤い発疹が現れますが、1日経過するとそれが水ぶくれへと変化し、数日後には水ぶくれの中身が濁った後、茶色いかさぶたに変わります。このように、水ぶくれとかさぶたが混在して現れるのが水ぼうそうの特徴です。
全ての発疹がかさぶたへと変化するまでの期間は、おおよそ7~10日です。
水ぼうそうの診断は、主にこれらの症状を基に実施されます。ただし、発疹が初めて現れてから半日程度では、はっきりとした診断がつかない可能性があります。その際には、迅速検査キットを使用して診断をつけます。
一般的に、治療では抗ウイルス薬(アシクロビル、バラアシクロビルなど)の服用が5日間行われます。また、水ぶくれにはフェノール亜鉛華リニメント(カチリ)などが塗布されることもあります。かゆみがひどい場合には、かゆみ止めの飲み薬を処方します。
水ぼうそうは非常に感染力が強い疾患であるため、全ての発疹がかさぶたへと変化するまでは、登校・登園を避けてください。
伝染性紅斑(リンゴ病)
伝染性紅斑は、パルボウイルスB19によって引き起こされ、顔の両側や手足(特に上腕の外側、太もも、尻)に発疹が現れる疾患です。特に頬の赤い発疹はリンゴのような形をしており、「リンゴ病」とも称されます。手足の発疹には、レース状や網目模様が見られることがあります。
微熱や風邪と似た症状、関節痛が伴うこともありますが、通常は自然治癒する疾患であり、1~2週間で回復します。発疹が一度消失した後、日光や機械的な刺激により再び現れることがあります。伝染性紅斑そのものを治す治療法は存在しません。そのため、解熱剤や鎮痛剤などで熱や関節痛を治す治療法が選択されます。
発疹が現れてからは他者へ感染しないとされているため、通常、学校や保育園に出席することができます。ただし、体調が優れない場合は無理をせず、ゆっくりとご自宅で休ませてください。